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離婚後に元配偶者が死亡したらなにをすべき? 遺族年金について解説

2021年08月11日
  • その他
  • 離婚
  • 遺族年金
離婚後に元配偶者が死亡したらなにをすべき? 遺族年金について解説

群馬県高崎市が公表する統計情報によれば、令和2年の高崎市での離婚件数は562件でした。

離婚を選択したあとであっても元配偶者が亡くなったという連絡が来たら動揺されるのではないでしょうか。とはいえ、すでに戸籍上は他人ですから、やるべきことはそう多くはありません。しかし、一般的に配偶者が他界すれば、遺族年金が支給されます。子どもがいるときは、遺族年金はどのようになるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、別れた配偶者の死亡と遺族年金の受給に関して、高崎オフィスの弁護士が解説します。

1、遺族年金とはどういうものか?

そもそも、遺族年金とは、具体的にどのような年金かをご存じでしょうか。まずは遺族年金の基本的な部分を解説します。

  1. (1)大黒柱の死亡に対するセーフティーネット

    人がいつ亡くなるかは、あらかじめわかるものではありません。一家の稼ぎ頭が不慮の事故や突発的な病気で死亡することもあるでしょう。そんなとき、直ちに生活が困窮してしまっては、社会経済上のリスクが高くなります。

    そこで国は、年金加入者が死亡した場合に年金を支給する公的な制度を用意しました。これが遺族年金です。

  2. (2)さまざまな遺族年金

    遺族年金といっても、①遺族基礎年金、②遺族厚生年金、そして制度改正前に存在していた③遺族共済年金があります。

    そもそも年金制度は、国民年金からなる「基礎年金」をベースとし、厚生(共済)年金分を上乗せして保険料の支払いを続け、万が一のときは要件に応じて受給されるというイメージで構成されています。

    ① 遺族基礎年金
    亡くなった方が、国民年金のみに加入していた場合または老成基礎年金の資格期間を満たした場合には、遺族基礎年金のみ受け取ることができます。自営業者などがこのケースにあたるでしょう。

    ② 遺族厚生年金
    亡くなった方が国民年金に加え、厚生年金に加入していた場合に受け取ることができます。基礎年金分に加え、加入時期や金額に応じた厚生年金分が上乗せされた年金が支払われるということになります。給与を得て働く一般の会社員や公務員などがこのケースにあたります。

    ③ 遺族共済年金
    これは共済年金の厚生年金への統合に伴い、遺族厚生年金に一元化されました。ただし、制度改正前に遺族共済年金の受給権が発生していた場合や一元化前から受給している場合には、遺族共済年金を受け取ることができます。

2、遺族年金の受給要件

離婚後の元配偶者が死亡した場合、遺族年金は受け取ることができるのでしょうか。
まず各遺族年金の受給権者を整理した上で、離婚後のケースを具体的にみていきましょう。

  1. (1)遺族年金の要件

    加入者が亡くなったとき、遺族が受け取れる可能性がある遺族年金は、加入年金制度によって異なります。遺族基礎年金と遺族厚生年金では受給要件が異なるため、状況によっては遺族年金を受け取れないこともあるかもしれません。まずはそれぞれの加入要件を知っておく必要があります。

    ① 遺族基礎年金について
    亡くなった方が、以下の支給要件を満たさなければなりません。

    • 被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき
    • 死亡した者が、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あること

    なお令和8年3月31日までは特例として、65歳未満の死亡者の場合、死亡日の属する月の前々月までの1年間に滞納がなければ受給できます。
    また、年金受給の対象者は、死亡した者によって生計を維持されていた「子のある配偶者」「子」です。
    「生計を維持されていた」というためには、死亡した者と生計を同一にしていたこと、原則として遺族の前年の収入が850万円未満であること、または所得が655万5000円未満である必要があります。
    「子」というためには、次のいずれかに該当する必要があります。

    • 18歳到達の年の3月31日を過ぎていないこと
    • 20歳未満で障害年金の等級が1級または2級であること

    ② 遺族厚生年金について
    遺族厚生年金が受給できるのは、以下にあたる場合です。

    • 被保険者が亡くなったときまたは、被保険者期間中の傷病が原因で初診日から5年以内に死亡したとき
    • 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき
    • 1級・2級の障害厚生年金の受けられる者が亡くなったとき

    これらの場合、死亡者に生計を維持されていた「妻」「子・孫」「55歳以上の夫・父母・祖父母」に遺族厚生年金を受け取る資格があります。これらの受給対象者についても、さらに要件があります。

    まず、「子・孫」については、遺族基礎年金における「子」の要件と同様で、18歳到達の年の3月31日を過ぎていないこと、20歳未満で障害年金の等級が1級または2級であることのいずれかを満たす必要があります。

    次に、「妻」と「夫」では取り扱いが異なります。妻には年齢の規定はありませんが、夫・父母・祖父母には55歳以上という定めがあるのです。なお、夫・父母・祖父母への遺族厚生年金の支給開始は、60歳からと定められています。夫については、遺族年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給することができます。
    これらに加え、30歳未満で子どもを有していない妻は、給付に5年間という期間制限があります。子どもを有する配偶者とその子どもは遺族基礎年金も併せて受給できることも覚えておくとよいでしょう。

3、元配偶者が死亡した場合の遺族年金受給の可否

離婚後の元配偶者が死亡した場合、遺族年金は受け取ることができるのでしょうか。

前述したとおり、離婚した元配偶者が死亡したとしても、あなた自身は遺族年金を受け取ることはできません。離婚してしまえば元配偶者とは赤の他人になるので、受給資格が認められないのです。

ただし、18歳となった年の3月31日に達していない子どもがいる場合、その子どもは受給できる可能性があります。

4、遺族年金の受給に伴う注意点

遺族年金の受給にあたって主に問題となる点が3つあります。受給の優先順位、生活維持要件、そして児童扶養手当との関係です。

  1. (1)受給できる優先順位

    遺族厚生年金は遺族基礎年金よりも受給権者の範囲が広く定められていますが、有資格者全員が受給できるわけではありません。優先順位の定めがあります。

    第1順位は配偶者と子ども、第2順位は父母、第3順位は孫、第4順位は祖父母です。

    たとえば資格要件を満たす配偶者と子どもが生存している場合、父母や孫、祖父母は遺族厚生年金を受給することができません。

  2. (2)児童扶養手当との関係

    遺族年金の恩恵を受けることが多いのは、子どものいる配偶者です。遺族年金を受け取っている状態であれば、基本的に児童扶養手当と遺族年金を同時に受給することはできません。

    ただし、平成26年12月以降、児童扶養手当で支給される金額よりも遺族年金で受け取れる金額のほうが低い場合には、その差額分の児童扶養手当を受給できるようになりました。該当する場合は、住んでいる自治体の窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。

5、まとめ

遺族基礎年金や遺族厚生年金の受給権者や支給要件は法律で定められています。すでに離婚している元配偶者は、戸籍上でも他人であるため受給できません。

ただし、一定年齢以下で生計維持要件を満たしていた子どもがいる場合は遺族年金を受給できますし、生活の助けとなることもあるかもしれません。ただし、そのためにも特定の要件を満たす必要があるため、まずは状況を確認する必要があるでしょう。

遺族年金の制度はやや複雑であり、年齢や死亡者との続柄などによって支給されるかどうかが異なる場合もあります。あなたと元配偶者との間に生まれた子どもが遺族年金を受け取れるかどうかがわからないときは、まずはお住まいの自治体で相談してみましょう。また、元配偶者が再婚していた場合など状況をつかめないときや、相続の問題が発生しているときは、ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスで相談してください。残された子どもにとって最良の方法をアドバイスします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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