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配偶者の親が「毒親」だったら縁を切れる? 離婚の可否と慰謝料請求

2020年07月29日
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配偶者の親が「毒親」だったら縁を切れる? 離婚の可否と慰謝料請求

群馬県高崎市の公表する統計情報によると、平成30年度における高崎市での離婚届出件数は569件となっています。そのなかには、夫か妻の親が毒親だったという理由で離婚された夫婦もいるかもしれません。

いくら愛している夫や妻であっても、その親まで愛することができるとは限らないのが現実です。もし、過保護で過干渉な、いわゆる「毒親」と呼ばれるような親であれば、自分の子どもに悪影響を与えるだけではありません。子どもが成長して大人になってからもなお、結婚生活にまでも干渉して、その配偶者を傷付けることがあります。
義父母が原因で離婚したいときには、配偶者が原因の場合とは異なる手続きが必要になることがあるでしょう。この記事では、夫か妻の親を理由に離婚するときの注意点を、高崎オフィスの弁護士が解説します。

1、離婚を検討する前に考えるべきこと

義父母が毒親であるため、過干渉により結婚生活が台無しになってしまい、離婚を検討されている方はおられるでしょう。
しかし、離婚に向けた手続きをすすめる前に、いくつかの注意点を確認する必要があります。

  1. (1)「夫婦の問題」と「毒親の問題」の区別

    まず、たとえ義父母が毒親と呼べるような言動をしていたとしても、結婚生活における問題の原因は、親子関係ではなく夫婦関係にあるかどうかを改めて考える必要があります。

    たとえば、「妻は親の言うことばかりを聞いて自分の言うことを聞いてくれない」「自分と姑が争っているときに、夫は姑の味方ばっかりする」という悩みをお持ちかもしれません。しかしそれは、配偶者の親が毒親であることが原因で起きている問題ではなく、配偶者に原因があると考えられるからです。

    また、親子関係についての意見の不一致や価値観のすれ違いも、毒親の問題とは別の話です。これらは、夫婦間の問題と言えます。
    問題の原因が配偶者の親にあるか、配偶者自身や夫婦関係にあるかによって、解決のためにとるべき行動が変わる可能性があるでしょう。まずは、自分が悩まされている問題について客観的に考えて整理することが大切です。

  2. (2)離婚以外の選択肢について

    第三者からみても舅や姑が毒親であり、その過干渉に原因があるといえる状態であれば、離婚を決める前に、ほかの方法で問題が解決できないか検討してみましょう。

    たとえば、夫婦で住んでいる家を引っ越して義父母と物理的な距離をとってみれば、干渉することが難しくなって問題が解決するかもしれません。配偶者が毒親の味方をしているようであれば、説得したり専門家のカウンセリングを受けさせたりすることで、心理的に親離れさせられることもあります。
    しかし、いくら離れてもメールや電話で干渉を続けられる場合や、配偶者が親から離れられないという場合もあるでしょう。
    そのときには、離婚という選択肢を本格的に検討することになります。

2、毒親との絶縁は可能か

毒親に育てられた子どもは悪影響を受けて親の言いなりになってしまうことが多いと言われています。しかし、大人になると親から自立して、縁を切りたいと思うようになる方もいます。

もし配偶者が親と絶縁してもいいと思っている場合、法律的にはどのような手段がとれるでしょうか。

  1. (1)「絶縁」とはどういうこと?

    絶縁とは、相手との関係や付き合いを絶ち切る、ということです。
    親子の間には、法律上でも特別な関係になっています。子どもは親に対して扶養義務があり、また親の財産を相続する権利も持っているのです。法律上の「絶縁」とは、親子の間の権利と義務の関係を破棄することになると言えます。

  2. (2)親子関係の解消

    引っ越しなどで親との距離を置いて、連絡先も教えなければ、親との物理的な関係を絶つことは可能でしょう。
    しかし、法律のうえでは、親子関係を絶縁することはできません。婚姻により夫婦で新しい戸籍を作成することなどで親の戸籍から離れることは可能ですが、親子関係は残りつづけます。
    たとえ相手が毒親や虐待を行う親であっても、法律上の親子関係を絶つことは認められていないのです。

  3. (3)毒親と距離を置く方法

    法律上の絶縁はできませんが、毒親との関係に悩まされている方は、お住まいの自治体の窓口や、婦人センターなどの第三者機関に相談してみましょう。
    また、毒親による脅迫や暴力などの具体的な危険がある場合には、警察署に相談することも大切です。

3、離婚が可能となる事由と慰謝料請求

毒親である配偶者の親と距離を置くことが難しい場合や、配偶者が毒親の味方をしつづける場合には、離婚という手段を検討することがあるでしょう。
離婚ができる場合とできない場合や、慰謝料請求の可否について、解説します。

  1. (1)どのようなときに離婚できるのか

    まず、夫婦のお互いが離婚に同意している場合には、無条件で離婚できます。
    問題は、相手が離婚に同意しないときです。配偶者があなたよりも毒親の味方をしていたり、毒親の問題を軽くとらえていたりする場合には、あなたと別れることに納得できないという場合もあるでしょう。

    お互いが同意していない場合に離婚するためには、法律で定める離婚事由に該当する必要があります。具体的には、5つありますが、まず、そのうちの4つ、配偶者が「不貞行為をした」「悪意で遺棄をした」「3年以上の生死不明」「回復の見込みがない強度の精神病」のいずれかは、配偶者の親は無関係です。しかし、その他にも、「婚姻を継続し難い重大な事由がある」と認められたら、相手が離婚を拒んでいたとしても、裁判などを通じて離婚できます。

    義父母が毒親だという事情が「婚姻を継続し難しい重大な事由」として認められるかどうかは、家庭裁判所に申し立てたのちに、それぞれの家庭の具体的な事情によって判断されることになります。

    家庭裁判所では、義父母との同居の有無や、関係を改善するための努力をしたかどうかといった点等が考慮されます。

  2. (2)慰謝料請求はできるのか

    離婚をするとなれば、配偶者への慰謝料請求も検討されるかもしれません。しかし、慰謝料を請求する相手は、あくまでも配偶者であって相手の親ではないことに注意してください。

    慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償金です。離婚の場面では、原則として、慰謝料は「夫婦一方のうち、離婚の原因を作った側(有責配偶者)が、相手方へ支払うもの」となります。つまり、慰謝料が請求できるのは、配偶者の方に離婚の原因があると認められた場合に限られるのです。

    ただし、義父母から肉体的または精神的な暴力を受けていたなどの事情があれば、配偶者への離婚慰謝料とは別途に、その親への損害賠償請求が認められる可能性があります。

4、弁護士に依頼することの利点とは

特に配偶者の毒親を理由とする離婚においては、夫婦関係と義理の親子関係の両方が関わってくるため、感情のもつれから大きなトラブルとなることが考えられます。

離婚交渉を弁護士に依頼することで、弁護士が窓口となり離婚の交渉が可能です。あなた自身が直接相手側と顔を合わせることなく、冷静な交渉が可能となるのです。また、協議がまとまらずに裁判となった場合にも、弁護士に依頼していればスムーズに対応できます。

泥沼の争いになってしまう事態を避けるためにも、離婚を検討しているならまずは弁護士に相談してみましょう。

5、まとめ

今回は、義父母が「毒親」である場合に親子関係を絶縁できるのか、離婚をすることはできるのか、という点について解説しました。

結婚生活を続けていくうえでは、配偶者本人だけではなく、その親族との関係も重要となります。毒親の被害から配偶者を救いたいのであれば、夫婦でまずはよく話し合いましょう。必要があれば、医療機関などでカウンセリングを受けることもひとつの案です。

しかし、あるいはやむを得ず離婚したいと考えたとき、あなた自身やあなたのお子さまの身に危険が及ぶ懸念があるご家庭もあります。そのほかにも、適切な財産分与などが行われない可能性が高く、行動できない方もいるかもしれません。そのようなときには、ベリーベスト法律事務所・高崎オフィスの弁護士までご相談ください。法律に関するご相談や離婚交渉まで、親身になって対応します。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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