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免許取り消しなど行政処分に不満があるとき行える不服申し立て手続き

2020年12月07日
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免許取り消しなど行政処分に不満があるとき行える不服申し立て手続き

令和元年12月末現在、群馬県内では約140万人の方が運転免許を保有しています。

日常の足としてはもちろん、自動車の運転が仕事に欠かせない方にとって、免許取り消しは死活問題になる可能性があります。また、事実と照らして免許取り消しが不当に重い行政処分と考えられる場合は、到底受け入れることはできないとお考えではないでしょうか。

そのような方への救済策として、免許取り消しなどの行政処分に対して不服申し立てを行うことができます。本コラムでは、免許取り消しを中心とした行政処分への不服申し立ての概要とその手続きの流れについて、ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスの弁護士が解説します。

1、刑事処分と行政処分の違い

交通事故を起こしたときや、交通違反をしてしまった場合に受ける可能性のある処分としては、刑事処分と行政処分があります。

刑事処分とは、罰金刑や懲役刑等の刑罰を科すか否かに関する処分です。他方、行政処分とは、免許の効力停止や免許の取り消し等に関する処分になります。

免許の効力停止や免許の取り消しの内容や手続きについて不服がある場合には、以下の不服申立手続を利用することを検討すべきです。

2、不服申し立ての手続きとは

行政処分の結果に不服がある場合には、当該処分に不服申し立てをすることができ、この申し立てを審査請求といいます。
審査請求は行政不服審査法に規定されています。

行政不服審査法における審査請求の目的は、違法または不当な行政処分に対して事後的な救済行為を求めることです。つまり、交通違反における審査請求の場合は、交通違反に対して公安委員会が行った免許取り消しなどの処分について、その判断に至った過程を改めて審査し、当該処分が妥当なものか審査することを求めることになります。

3、交通違反となった場合の流れ

  1. (1)告知と通告

    反則行為が存在し、その反則行為が交通反則制度の範疇に属するものであって、反則者の居所や氏名が不明ではなく、かつ逃亡のおそれがない場合は、警察官から「交通違反告知書」および「反則金納付書」が手渡され、これをもって「告知」がなされます。

    告知の内容は、交通違反告知書に以下の事項が記載されて反則者に手渡されます。

    • 反則行為となる事実の要旨
    • 反則行為の種別
    • 反則行為の種別
    • 出頭日および場所
    • 反則金額

    告知に不服がない場合、告知を受けた反則者は告知を受けた日の翌日から起算して7日以内に、反則金を「仮納付」します。納付先は告知書に記載された反則金額を郵便局や政令により指定されている銀行です。告知された反則金を納付することによって、手続きは終了となります。この場合、刑事手続きに移行しません。

    他方、反則者が告知を受けた日の翌日から7日以内に反則金の納付をしなかったらどうなるのでしょうか。この場合、反則行為があった地を管轄する各都道府県の通告センターが、反則者に対して反則金を納付するよう「通告」します。この通告は通告センターで手渡されるか、郵送されます。

    通告の書面を受け取った反則者は、通告書を受け取った日の翌日から起算して10日以内に記載されている納付場所に、反則金および通告書の郵便料金を納付して受領書を受け取ることにより、手続きは終了します。

    もし、反則者が通告書を受け取ったあとも反則金を所定の期間内に納付しない場合は、刑事事件化することになります。

  2. (2)免許の取り消し処分における意見の聴取

    なお、免許の取り消し処分や90日以上の免許停止処分の場合、公安委員会は反則者に対して「意見の聴取」をしなければならないとされています。この意見の聴取とは、公安委員会による免許取り消し等の処分が適正か否かを判断するために、反則者本人から意見を聴取するというものです。

    免許取り消し等の処分の原因となった違反行為や事故が発生してから数週間以内に、反則者には「意見の聴取通知書」が届きます。意見の聴取通知書には、公安委員会が指定した意見の聴取日や場所などが記載されています。この意見の聴取日に出頭することによって、免許取り消し等の処分に関する弁明を述べることができるのです。

    なお、意見の聴取を経て処分が出たとき、その内容を知った日の翌日から3か月以内であれば、反則者は公安委員会に対して書面により「審査請求」の手続きをすることができます。

  3. (3)最終的には裁判

    処分の内容に不服がある場合は、反則金を納付しないことで検察庁から呼び出しを受けます。

    検察官が起訴相当であると判断した場合には、反則者は検察官により裁判所に起訴されます。これにより、公判請求となった場合は裁判所で正式裁判をすることになります。

    他方、略式裁判は、被告人本人が略式命令に対する同意を前提としていなければ行われません。略式命令に対して不服がある場合には、正式裁判に移行しますが、被告人の同意を前提としている以上、略式命令から正式裁判に移行するケースは少ないというのが現状です。

    また、審査請求が認められず、免許取り消し処分となってした場合には、その処分に不服があるとして、処分の取り消しを求めて行政訴訟を提起することになります。

4、弁護士に相談すべきケース

交通違反の行政処分に対する審査請求は、基本的に書面審理なので簡易迅速な救済が期待できることや、警察など行政機関の専門的な知識を活用できるというメリットがあります。

ただし、行政側が審理や裁断を行うため中立性が希薄になりやすいということと、簡易迅速に行うための手続きであることから、審理する側の慎重さが欠如するおそれがあるなどのデメリットもあります。また、裁判のように偽証すれば偽証罪による制裁が科されるなど、供述の真実性についての担保がないため、審理する側の調査能力に限界があるという点もデメリットになりうるでしょう。

したがって、裁判を視野に入れて対応したほうがよいような、以下のケースについては、弁護士に相談することをおすすめします。

  • 当初の警察による処分の内容と事実との整合性が疑わしいと考えられる場合
  • 免許取り消し処分等の重い処分に対する不服申し立てを検討するとき

5、まとめ

不当と思われる処分が下される可能性がある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスでは、交通違反の行政処分に関する審査請求についてのご相談を承っております。ぜひお気軽にご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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