自転車でも飲酒運転で逮捕される場合がある? 罰則や逮捕後の流れを解説

2020年01月08日
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自転車でも飲酒運転で逮捕される場合がある? 罰則や逮捕後の流れを解説

平成31年4月、群馬県内において、警視庁の巡査が酒気帯び運転をしたとして、警視庁から懲戒処分を受けるという事件がありました。
酒を飲んだ状態で車やバイクを運転すれば、飲酒運転となり罪に問われるということは誰でも知っていることです。しかし、自転車は免許が必要なく子どもでも乗ることができる乗り物のため、飲酒をしても罪に問われないと思われがちです。
実際には、酒を飲んで自転車に乗ってしまうと飲酒運転となり、逮捕されてしまいます。

今回は、自転車における交通ルールと飲酒運転の関連性、また、逮捕されてしまった場合、その後の手続きの流れや罰則などがどのようになるかを中心に、高崎オフィスの弁護士が解説します。

1、自転車でも飲酒運転は違法行為となる

  1. (1)自転車運転でも交通ルールを守らなければならない

    自動車やオートバイ等については、該当する免許を持っていなければ運転することができません。そして、免許を取るためには、運転方法だけでなく交通ルールを身につけなければなりません。これに対して自転車を運転するためには免許証などが必要なく、運転できれば誰でも利用することができます。

    車両を運転するにあたっては、交通ルールとして道路交通法などを守らなければならず、それは自動車やオートバイ、自転車など、どのような車両でも同じことです。そして、この道路交通法に、飲酒運転が禁止されているのです。

  2. (2)飲酒運転のルール

    道路交通法65条第1項には、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定しています。自転車は道路交通法において軽車両に分類され、「車両等」に該当するため、自転車の飲酒運転は違反行為となるのです。

2、どんな罰則があるか

飲酒して自転車を運転した場合、どのような罰則があるのでしょうか。

  1. (1)飲酒運転の罰則

    ア 酒気帯び運転の場合
    酒気帯び運転をしたうえで、身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する場合には、処罰の対象となり、法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められています(道路交通法第117条の2の2第3号)。
    酒気帯び運転で処罰されるかどうかは、アルコール濃度によって判断されます。身体の血液内のアルコール濃度が血液1ミリリットルにつき0.3ミリリットル以上の場合や呼気1リットルにつきアルコールが0.15ミリグラム以上残っている場合には処罰の対象になるとされています。
    もっとも、自転車では、酒気帯び運転の場合に適用される罰則がありません。上記の道路交通法第117条の2の2第3号では、酒気帯び運転の罰則において軽車両は除くとされているのです。

    イ 酒酔い運転の場合
    酒に酔った状態で運転(酒酔い運転、アルコールの影響により正常な運転ができない恐れがある状態)で運転した場合も処罰の対象になります。
    酒酔い運転は、アルコール濃度などの客観的な数値はありません。運転が正常でないことのほか、足がフラついていたり、ろれつが回っていなかったりなどからも酒酔い運転だと判断されます。
    本人が正常な運転ができていると思っていても、警察官など第三者からみて正常な運転ではない、または検問などで車から降りさせられ、まっすぐに歩けていないなどと判断された場合は、酒酔い運転に該当してしまいます。
    特に、酒に酔った状態では自己を客観的に見る能力は著しく低下しています。ちょっとの距離だから大丈夫、などと考えて自転車を飲酒運転してしまうと、酒酔い運転として逮捕されてしまう可能性もあります。
    酒酔い運転の場合、法定刑は酒気帯び運転よりも重く、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と定められています。
    酒気帯び運転と異なり、酒酔い運転の場合は、自転車であったとしても処罰の対象となります。

  2. (2)自転車の飲酒運転で事故を起こした場合

    他方、自転車の飲酒運転によって事故を起こしてしまい、人にケガ、または死亡させてしまうと、過失致死傷罪重過失致死傷罪となるおそれがあります。

    このような事故の場合、刑罰のほかに、過失割合といういわゆる不注意の度合いによって、被害者に対して損害賠償責任を負わなければならなくなってしまうこともあるでしょう。飲酒については、過失割合が増える方向で加味されてしまうのです。

3、飲酒運転で逮捕されたときは

自転車を酒酔い運転したり、事故を起こしてしまった場合には、逮捕される可能性があります。
逮捕されてしまった場合、まずは弁護士を選任したい旨を取り調べ警察官に伝えましょう。家族が飲酒運転で逮捕されてしまったのであれば、家族から弁護士に相談することもできます。

逮捕されてから勾留までの最大72時間の間は、弁護士以外は誰も逮捕された本人(被疑者)と接見することができません。弁護士は、被疑者との接見や取り調べへのアドバイス、家族からのメッセージを伝えることなどを通して、被疑者の精神的不安を取り除いたり、取り調べで不利な言動をしないようサポートをしたりします。
逮捕されると何かと不安になってしまうでしょうが、弁護士がついているという状態によって、心強く感じることができるでしょう。

家族が飲酒運転で逮捕されてしまった場合は、いち早く弁護士に相談するようにしましょう。弁護士であれば示談交渉などの弁護活動を通して、被疑者の解放等を目指すことが可能です。

4、まとめ

自転車を飲酒運転して逮捕されるかどうか心配、事故を起こしてしまい被害者が気になる、どう対応したらよいのか分からないという場合は、ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスまでお気軽にお問い合わせください。高崎オフィスの弁護士が力を尽くします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています