借金が増えすぎて家賃滞納に。対応や相談先は?

2019年06月06日
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借金が増えすぎて家賃滞納に。対応や相談先は?

近年、賃貸住宅の契約時に連帯保証人を代行する家賃保証会社が急激に増えたことで、不動産会社による借主の支払能力審査が甘くなり、また、家賃保証会社の審査自体も保証会社の競合が多いという理由から厳しいとは言えない状況です。このような状況が、家賃滞納が頻発する原因のひとつと考えられ、借金返済等に追われ家賃を滞納してしまったことがある方もいらっしゃるかもしれません。
家賃を滞納してしまったとき、どのくらいで退去を求められるのか、また訴訟等で訴えられたりすることがあるのかなど、さまざまな不安が頭をよぎることと思います。 ここでは、家賃を滞納せざるを得なくなった場合どのように対処すべきかについて、高崎オフィスの弁護士が解説します。

1、家賃滞納は何ヶ月まで許される?

家賃の滞納がどこまで許されるかについて、法律上の決まりはありませんが、実際の裁判例で賃貸借契約の解除や部屋の明け渡しが認められるのは、賃料の額や滞納の頻度にもよりますが、2~3ヶ月以上家賃を滞納した場合が多いと言えます。
契約解除の可否は個別の事案ごとに判断されるものですが、たとえば、家賃の滞納をたびたび繰り返しているような場合は、貸主と借り主間の信頼関係を破壊しているとして、賃貸人からの契約解除および立ち退き請求が認められる可能性が高まるといえるでしょう。

2、家賃滞納に対する対応方法や相談先

家賃を滞納してしまった場合、どのような対応が考えられるかについて、順に述べていきます。

① 大家さんへの相談
まずは、大家さんや管理会社(不動産会社)に家賃が支払えない状況を説明し、家賃を支払うつもりはあることを伝えることが必要です。
たとえば、今後の入金の見通しを伝える、分割での支払いを提案するなどして、入居者と大家さんとの信頼関係が崩れないよう注意します。信頼関係が崩れていると大家さん側から判断されると、大家さん側から賃貸借契約を解除される可能性が高まり、解除されれば部屋の明け渡しを請求される可能性があります。

② 住宅確保給付金制度を利用する
本制度は、離職などにより経済的に困窮し、住居を失ったまたはそのおそれがある者に対し、住居確保給付金を支給することにより、安定した住居の確保と就労自立を図るものです。
上記制度の運用は各自治体に委ねられているので、各自治体の担当部署に問い合わせてみるとよいでしょう。
高崎市では市役所の社会福祉課が受け付けているので、詳しくは相談してみるとよいでしょう。

③ 生活保護を受ける
大家さんの理解も得られず、多重債務があるが今後お金を作る見込みが立たず家賃を支払うことも難しくなってしまった場合、最終手段として生活保護を受けることになります。
生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提です。
また、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。従って、次の条件を前提として、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に保護が適用されます。

  • 資産の活用:預貯金、生活に利用されていない土地・家屋などがあれば売却などして生活費に充てる。
  • 能力の活用:働くことが可能な方は、その能力に応じて働く。
  • あらゆるものの活用:年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用する。
  • 扶養義務者の扶養:親族などから援助を受けることができる場合は、援助を受ける。

3、債務整理とは

家賃滞納の前提に多重債務があるような場合、まずは債務を整理するという方法があります。
債務整理とは、借金問題を弁護士などに依頼することで、債権者と交渉し、将来発生する利息のカットや借金減額などを行うための手続きで、次のような方法があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

4、任意整理とは

任意整理は債務整理の方法のひとつです。任意整理とは、裁判所を通さずに、借金を減額したり、利息(支払い済み&将来分)をカットしたりして、支払いを軽減するための貸金業者との和解手続です。
ご自身でやることも可能ではありますが、弁護士等に依頼した方が、減額される借金の額が大きくなることがあります。任意整理は、将来の利息をカットする・払いすぎた利息から引き直し計算をするという特徴がありますので、早めに手続きをした方が負担の軽減は大きくなります。

5、債務整理を弁護士に相談するメリット

債務整理は専門性や柔軟な解決のための交渉力が求められる分野であるため、解決実績や解決事例が豊富にある事務所に所属する弁護士に依頼することが解決への近道といえます。

そのような実績や知識の有無を判断するには、事務所のホームページに債務整理に関する情報が充実しているか、相談の際に法律の素人である依頼者にわかりやすい説明ができるかどうか、などが判断材料となります。
弁護士に相談することにより、相談者には具体的に次のようなメリットがあります。

① 取り立てが止まる
債務整理の手続きを開始した場合、依頼を受けた弁護士は、各債権者に取り立てなどは今後弁護士を通じてするようにという旨の通知を行います。これによって、現在なされている取り立てをいったん止めることができます。

② 適切な解決方法を選べ、煩雑な手続きを一任できる
借金にまつわるさまざまな問題などを検討のうえ、あなたの状況にもっとも合った解決方法の提案を受けることができます。また、任意整理をおこなう場合、債務総額の計算や契約書の確認、各債権者との煩雑なやりとりを弁護士に一任することができるというメリットがあります。

③ 精神的負担が少ない
弁護士に依頼せず解決しようとする場合、取り立てに追われ、法的な知識も十分でない状態では、大きな精神的負担を伴うことになります。十分な専門知識を有した弁護士に依頼することで、これらの精神的負担から解放されるとともに、今後の生活などに関するアドバイスも受けることができます。

6、まとめ

借金がかさみ家賃を滞納してしまった場合、今後の生活に備え適切な対応をとる必要があります。家賃を滞納してしまって連帯保証人に迷惑をかけそうだがどうしたらよいかわからない、大家さんや管理会社ともめて退去を命じられる可能性が高いなどお困りの方は、ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスまでご相談ください。高崎オフィスの弁護士が、家賃滞納への対処に全力を尽くします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています