夫がマッチングアプリで不倫? 離婚して慰謝料を請求する方法とは

2021年02月18日
  • 不倫
  • マッチングアプリ
  • 不倫
夫がマッチングアプリで不倫? 離婚して慰謝料を請求する方法とは

高崎市の発表によると、令和元年1年間の高崎市内の婚姻件数は1826件、離婚件数は595件でした。離婚理由はさまざまですが、離婚理由の中でも特に多いのが不貞行為です。

最近では、既婚者がマッチングアプリを利用して不倫相手を探すケースも増加しているという報道を見かけることがあります。そこで、マッチングアプリを利用して不倫をされた場合の対処法についてベリーベスト法律事務所 高崎オフィスの弁護士が解説します。

1、夫がマッチングアプリで不倫するやり口

まずは、マッチングアプリで不倫をする方法、パターンについて解説します。

  1. (1)未婚であると偽ってマッチングアプリを使用している

    マッチングアプリのほとんどは、婚活用です。婚活専用ではなくても、独身者同士がパートナーを探すためのツールであり、既婚者の利用を禁じているものがほとんどです。

    しかしながら、中には既婚者にもかかわらず「独身である」と偽ってマッチングアプリを利用するケースもありますこの場合、相手の女性をだましており、相手の女性も既婚者であることを認識せず交際をしている可能性もあります

  2. (2)既婚者同士専用のマッチングアプリを使用している

    既婚者同士専用のマッチングアプリも存在します。既婚者同士が、交際をして肉体関係を持つことは許されることではありません。しかしながら、既婚者同士のマッチングアプリは、「セカンドパートナー」として性行為を伴わない相手を探すためのものであるとしています。セカンドパートナーとは、配偶者以外の性交渉を伴わないパートナーのことを指します。
    ところが、セカンドパートナー探しのアプリを、不倫相手を探すためのツールとして悪用している方が一定数存在すると想定できます。

2、夫のマッチングアプリでの不倫を理由に離婚をする方法

夫がマッチングアプリでの不倫をしていたことを理由に離婚をする方法と、知っておくべき離婚の基礎知識を解説します。

  1. (1)話し合いによる離婚であれば双方の合意があれば、どんな理由でも可能

    夫婦が話し合いによって離婚をする、「協議離婚」であれば離婚や親権等の条件面も含めて、夫婦がきちんと同意をしているのであれば、どんな理由であっても離婚することができます。

    しかしながら、一方が離婚に反対をしており、訴訟までもつれこんだ場合には、法定離婚事由が必要です。法的離婚事由とは、民法第770条第1項で規定されている離婚を5つの理由のことを指します。配偶者が不貞行為をした場合には、民法第770条第1項第1号の法定離婚事由があることになります

  2. (2)不貞を理由に離婚をする場合は、証拠が必要

    訴訟で他方配偶者の不貞を理由に離婚の可否を争う場合、また訴訟にはいたらなくても話し合いや調停で他方配偶者の不貞を主張する場合には、不貞行為をはたらいていた証拠を確保する必要があります。
    そもそも確固たる証拠がなければ、水掛け論になってしまい離婚の話し合いがスムーズに進みませんし、訴訟の場合には、裁判所も不貞行為があったと判断しない可能性があります。
    たとえば、夫がマッチングアプリを使用して不貞行為をしている場合には、女性との肉体関係を推認させるメッセージのやりとり等がひとつの証拠となります

  3. (3)離婚までの流れ

    離婚の種類は大きく分けると以下の3種類です。

    • 協議離婚
    • 調停離婚
    • 裁判離婚


    まずは、話し合いによって離婚するかどうかと条件等を決めます。それで決まらなければ、調停を申し立てることになります。日本の法律では、原則として調停を経ずに、離婚訴訟を提起することはできません。

    調停は、訴訟とは異なり調停委員が間に入って双方の主張を聞いた上で、調停案を提示するものです。したがって、裁判離婚のように、法定離婚事由は必須ではありません。しかしながら、調停委員や夫を納得させられるだけの理由が必要です。

    マッチングアプリを利用した不倫を理由に離婚を求める場合は、配偶者と不貞相手との間に肉体関係があることを推認させるような証拠を提出し、調停委員に夫が不貞行為をしたことを納得してもらう必要があります。

3、夫のマッチングアプリ不倫の証拠を確保する方法

夫がマッチングアプリで不倫をしており、離婚を検討している場合は不倫の証拠が必要であることはお話ししました。ここでは、マッチングアプリ不倫での証拠の確保方法を解説します。

  1. (1)マッチングアプリへの無断ログインは違法と判断される可能性がある

    マッチングアプリ不倫の証拠を確保する近道は、マッチングアプリにログインしてマッチングアプリの使用履歴、やりとりを確認する方法です。

    ところが、マッチングアプリ等のアプリに無断でログインすることは、「不正アクセス禁止法」に違反するおそれがあります。「夫のスマートフォンが置きっぱなしにされており、マッチングアプリの画面が開かれたままだった」というような状態であれば、罪に問われない可能性はありますが、無理にアプリを開くことは避けた方がよいでしょう

  2. (2)LINEやメールのやりとりを確保する

    LINEやメールでのやりとりも、マッチングアプリ不倫の証拠となりえます。LINEやメールで証拠を確保する場合、「肉体関係」があることが明らかなメッセージや写真が必要です。

    ホテルでの待ち合わせの約束や、肉体関係に言及したもの、裸で抱き合っている写真があれば、不貞行為があったと推認することができるでしょうただしこの場合も、許可を得ずにログインするなどの行為は避けたほうがよいでしょう

  3. (3)そのほかの証拠をそろえる

    マッチングアプリ不倫では、マッチングアプリ内でやりとりが完結しているケースは少なくありません。LINE、メールのメッセージでは不貞の証拠を残していないなど、証拠の確保に苦労するケースが少なくないようです。

    それでも、ラブホテルなどのレシートやカードやECTの使用履歴なども不貞行為の証拠になりえます相手を問い詰める前にじっくり証拠を集めておくことをおすすめします

4、不貞相手に不貞行為の慰謝料を請求する方法

配偶者が不貞行為をはたらいた場合、配偶者だけでなく不貞相手に対しても慰謝料を請求することができる場合があります慰謝料の相場、慰謝料を請求する方法を確認しておきましょう。

  1. (1)不貞相手に請求できる慰謝料の金額

    マッチングアプリによる不貞で、不貞相手に請求できる慰謝料はケース・バイ・ケースですが、数十万円から200万円程度となるケースが多いです
    不貞行為が原因で離婚にいたった場合には、慰謝料の金額が高くなりますが、離婚にいたらなかった場合には慰謝料が数十万円程度になることもあります

  2. (2)不貞相手に慰謝料を請求する方法

    不貞相手に不貞行為の慰謝料を請求するために必要なものは、不貞行為の証拠と不貞相手の住所氏名、連絡先です

    ご自身で対応する場合、不貞相手の情報を入手したら、不貞相手に連絡を取り、慰謝料を請求する意思があることと、慰謝料の金額を伝えます。この場合、内容証明郵便を送付して支払いを促しましょう。

    なお、ご自身で対応する場合、双方感情的になり、別のトラブルへと発展する可能性もあるので、ご不安であれば、後述のとおり、弁護士に相談し、依頼することをおすすめします。

5、夫のマッチングアプリ不倫でお悩みの方は弁護士に相談を

夫のマッチングアプリ不倫の証拠集めを終え、慰謝料請求を行う決意が固まったら、まずは弁護士に相談をしましょう。弁護士に相談をすることによって、離婚の可否、慰謝料の相場等の助言を受けられますさらに依頼をすれば、離婚の話し合い、離婚条件の決定まで全ての手続きを一任することも可能です

弁護士は、これ以上マッチングアプリ不倫について悩まされたくない、有利な条件で離婚をしたいと考えている方の強い味方になりえます。離婚をする場合は、慰謝料だけでなく財産分与、養育費等の条件についても話し合う必要がありますので、まずは弁護士にご相談ください

6、まとめ

夫がマッチングアプリで不貞をしている場合、夫や不貞相手に慰謝料を請求できる可能性があります。また、離婚を申し入れることも可能です。

ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスでは、マッチングアプリ不倫でお悩みの方のご相談を広く受け付けていますので、まずはお問い合わせください。あなたの状況に応じた最適な解決方法を提案いたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています