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養育費の明細や内訳が欲しい! 養育費に納得できないときの対処法

2022年12月20日
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養育費の明細や内訳が欲しい! 養育費に納得できないときの対処法

高崎市が公表する「令和3年度統計季報(高崎市)」によると、令和2年度の婚姻件数は1593件、離婚件数は562件でした。高崎市では、婚姻件数、離婚件数ともに減少傾向が続いています。

子どもがいる夫婦が離婚するとき、養育費の問題に直面することになります。場合によっては、支払った養育費の使い道が気になり、明細を出してもらえないなら支払いたくないとお考えになる方もいるでしょう。

今回は、養育費の使途明細の提出を求めることに関する法律上の問題点や、養育費を取り決める方法などにつき、ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスの弁護士が解説します。

1、養育費を支払う場合、明細をもらう権利はある?

元配偶者に支払った養育費について、
「本当に子どものために使っているのか」
「元配偶者が自分のために使っているのではないか」
といった不信感を抱く方は少なくないようです。相手を信頼していれば離婚には至らないケースが多いことから、当然のことかもしれません。

このような理由から、「養育費の使途に関する明細を提出してほしい」と思われる方もいるでしょう。では、養育費を支払った側には、受け取った側から使途明細を提出してもらう権利はあるのでしょうか?

  1. (1)法律上、養育費の明細提出義務を負わせることはできない

    前提として、法律上、養育費を受け取った側が支払った側に対して、養育費の使途明細を提出する義務はありません

    そもそも養育費として支払われた金銭の使途は、原則として受け取った側が自由に決められます。養育費の金銭といわゆる生活費を区別することはできませんし、子どものためにお金をどのように使うかは、親権者の判断事項だからです。

    上記の観点を踏まえると、受け取った養育費の使途については、支払った側がチェック・コントロールすべきものではないといえます。したがって明細の提出義務もないという結論になるのです。

  2. (2)離婚協議書等で合意した場合、明細の提出を求めることが可能

    ただし、養育費の支払いについて取り決めた離婚協議書などにおいて、受け取る側に養育費の使途に関する明細提出を義務にすることを求めることをできないわけではありません。
    たとえば、特別費用を実費精算とする場合などにおいては、明細を提出させて本当に支出が行われたかどうかを確認できるようにしておく、などのケースが代表的です。

    元夫婦間の合意で定められた場合には、養育費の使途明細の提出は契約上の義務となります。

2、養育費の金額・支払い方法等を決める方法

養育費の金額や支払い方法は、以下のいずれかの手続きによって決めることになります。
基本的には離婚時の段階で決めておくのが望ましいですが、離婚後でも養育費について取り決めることは可能です。

  1. (1)離婚協議で決める

    離婚時に養育費の支払い条件を取り決める場合、まずは離婚協議での合意を目指すのが一般的です。

    離婚協議では、離婚をするかどうかに加えて、財産分与・婚姻費用・親権などの離婚条件を夫婦間で話し合います。養育費も、離婚協議で話し合うべき離婚条件のひとつです。

    なお、毎月精算する養育費の金額を決める際には、裁判所が公表している「養育費算定表」が目安となります。裁判などになった場合は、この算定表を目安として決定されることが多いでしょう。

    ベリーベスト法律事務所では、この「養育費・婚姻費用算定表」をもとにした養育費計算ツールをご用意しています。請求されている金額が高すぎると感じたときは、ぜひご活用ください。

    話し合いを経て、離婚すること、および離婚条件について合意に至ったら、その内容を離婚協議書にまとめて締結します離婚協議書の効力を確実なものとするため、公正証書で締結するとよいでしょう

  2. (2)離婚調停で決める

    離婚協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。離婚調停とは、男女それぞれ1名ずつ計2名の調停委員を仲介者として裁判所内の調停室で話し合いを進め、離婚条件に関する夫婦間の合意成立を目指す手続きです。

    日本の法律上、離婚を目指す場合、たとえ双方での話し合いが難しい場合でもすぐに訴訟を起こすことはできません。まずは調停を行うことが必須となります。

    調停を通じ、夫婦双方が離婚に伴う養育費や財産分与、面会交流権などの条件に同意すれば、調停は成立となり、養育費を含めた離婚の諸条件が確定すると、調停離婚が成立します。このとき発行される調停調書は、公文書にあたる書類となるので、大切に保管しておきましょう相手が約束を覆して過剰な要求をしてきたとき、支払う義務はない根拠とすることができます

  3. (3)離婚訴訟で決める

    離婚調停で話し合いによる合意に至れず不成立に終わり、なお夫婦のどちらかが離婚を希望する場合には、家庭裁判所に離婚訴訟を提起しましょう

    離婚訴訟では、以下の法定離婚事由(民法第770条第1項各号)のいずれかが存在することを条件として、裁判所は離婚を認める判決を言い渡します。

    1. ① 不貞行為
    2. ② 悪意の遺棄
    3. ③ 3年以上生死不明
    4. ④ 強度の精神病に罹り、回復の見込みがないこと
    5. ⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由


    離婚を認める判決の主文では、離婚訴訟と併せて養育費の請求を申し立てている場合、併せて養育費などの離婚条件についての結論も示されます。
    判決が確定すれば、その中で示された養育費の支払い条件も確定します。

  4. (4)離婚後に協議で決める

    離婚時に養育費の支払い条件を決めなかったとしても、離婚後に改めて養育費の支払い条件を取り決めることができます。この場合も、まずは夫婦間の協議を行うのが一般的です。

    協議によって養育費の支払い条件を合意したら、その内容を書面にまとめて締結します。

  5. (5)養育費調停・審判で決める

    離婚後に養育費を決める話し合いを行うことになったものの、協議がまとまらなければ、家庭裁判所に調停を申し立てましょう。この場合、申し立てるのは「養育費請求調停」となります。

    養育費請求調停では、離婚調停と同様に、調停委員が仲介者として元夫婦間の合意形成をサポートします。元夫婦双方が同意すれば、調停成立です。

    これに対して、養育費請求調停が不成立となった場合、訴訟へ移行することはなく、家庭裁判所が「審判」によって結論を示します。審判が確定すれば、義務者はその内容に従って、権利者に対して養育費を支払わなければなりません。

    なお、すでに取り決めた養育費の金額を、その後の事情変更を理由に増額・減額したい場合にも、家庭裁判所の調停・審判手続きを利用可能です(養育費増額調停・養育費減額調停)

3、子どもについて特別な支出が発生した場合の取り扱い

子どもを養育するにあたっては、毎月おおむね決まって必要になる生活費などに加えて、突発的に大きな出費が発生することがあります。

このような出費を「特別費用」と呼びます。学校の入学金や事故に遭った際の入院費用などが、特別費用の典型例です。

特別費用については、養育費の一部として精算の対象になり得る点にご注意ください。

  1. (1)特別費用として養育費の精算対象となる

    特別費用も、子どもを養育するためにかかる費用である点は、毎月の生活費と同様です。そのため、同居親・非同居親の区別にかかわらず、子どもに対して扶養義務を負う両親の間で、資力に応じて特別費用を分担するのが基本的な考え方となります。

    したがって、子どもについて特別費用の支出が発生した場合、同居親は非同居親に対して、その一部の負担を求めることができます

  2. (2)特別費用の精算方法の決め方

    特別費用の精算方法は、養育費の支払い条件を決める合意書などの中で取り決めておくことが望ましいです。

    一方、特別費用の精算に関する合意がない場合でも、養育費請求調停・審判の手続きを通じて、同居親は非同居親に特別費用の負担を求めることができます

  3. (3)特別費用については明細を求めるケースが多い

    特別費用は、何らかの特別な出来事の発生に伴って支出が生じるため、金額やタイミングなどを予見することが困難です。そのため、実際に支出した費用をベースとした精算を行うのが一般的となっています。

    特別費用を公正に精算するためには、実際に支出した金額を義務者の側でも確認できなければなりません。そのため、領収証などの証拠資料とともに、特別費用の使途・金額に関する明細の提出を求める合理性があります。

    特別費用の支払いについて合意する場合、支払う側としては、受け取る側に明細の提出を義務付ける規定を合意書に盛り込んでおくのがよいでしょう

4、「明細がないなら養育費を払わない」はNG

前述のとおり、特別費用の精算の条件として明細の交付を求めることは、あらかじめ元夫婦間で合意していれば問題ありません。これに対して、毎月支払う定額の養育費については、義務者に対して明細を提出する義務もないことを知っておくべきです。

したがって、支払う義務がある親が「明細を提出しないから」という理由で毎月の養育費を支払わない場合、調停や審判、訴訟等を提起されたり、強制執行手続きによって財産の差し押さえを受けたりする可能性が出てきます

5、まとめ

養育費については原則として、受け取る側に使途明細を提出させる義務を負わせることはできません。明細の提出を拒否されたからといって、養育費の支払いをストップしてしまうと、強制執行により差し押さえを受けてしまうおそれがあるのでご注意ください。

養育費の支払い条件は、協議・調停(+審判)・訴訟の手続きを通じて決めることになります。適正な養育費の支払い条件を取り決めたい場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所は、離婚に関連する法律相談を随時受け付けております。養育費の支払いなどにつき、配偶者・元配偶者との間でトラブルになった場合には、ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスの弁護士にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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