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従業員が不適切投稿をしてしまった場合の対処法と予防法

2024年01月25日
  • SNSサイト
  • 不適切投稿
従業員が不適切投稿をしてしまった場合の対処法と予防法

アルバイトなどの従業員が会社の商品を不衛生な状態にしてSNSなどにアップする、いわゆるバイトテロをして不適切投稿をした結果、ネット上で炎上が起こるケースがしばしばあります。

本人はちょっとした悪ふざけのつもりであったとしても、会社の売り上げ、会社のイメージ、ひいては会社の株価にまで重大な影響を及ぼすこともあり、SNSが発達した現代では企業の対応は急務です。

そこで、この記事では、従業員の不適切投稿の実例を挙げながら、事前の予防策・事後の対応策などについて、ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスの弁護士が解説します。

1、従業員が不適切投稿をした場合、会社はどう対処するべきか

まず会社の従業員がSNSに不適切な投稿をしてしまった場合、会社はどのような対応を行うべきか、説明します。

  1. (1)投稿内容の確認

    従業員がSNSへ不適切投稿を行った場合には、まず、その不適切投稿の事実関係を確認すること第一歩です。ポイントは以下の点です。

    • 不適切投稿の種類の確認
    • たとえば、飲食店であれば商品をことさら不衛生な状態にして投稿するもの、個人情報やプライバシーを漏えいするもの、会社の機密情報を漏えいするもの、会社や職場の人を批判するもの、などさまざまです。不適切投稿の内容次第で、会社の今後の対外的、対内的な対応方針も異なってきます

    • 投稿主体の確認
    • 投稿主体が、従業員個人のアカウントなのか、会社の公式のアカウントなのか確認を要します。従業員の個人アカウントであるとすると、投稿は従業員の私的なプライベートの範囲に属することになりますので、原則としては、会社は介入することができません。また、不適切な投稿を理由として懲戒処分を必ず行うことができるわけではありません。

      これに対して、会社の公式アカウントについては、会社の業務として、従業員がSNSに投稿をしていることになるので、プライベートな行為ではありません。その結果、不適切な投稿を行った場合には、従業員の個人アカウントと比較して、懲戒処分を行いやすいということはいえるでしょう。

      また、就業時間中にSNSへ投稿した場合には、不適切な投稿の問題とは別に、職務専念義務違反になりえます。

    • 投稿者の意図の確認
    • 意図的に会社に対して加害する目的で投稿したのか、軽率にも過失によって投稿したものかなど、投稿者の意図がどのようなものであったのかも、対応を検討する上ではポイントになります。

    • 投稿の範囲や時間
    • 不適切な投稿が公開されていた範囲・時間も確認を要します。ごく限定された範囲だけの投稿で短時間の公開時間あれば、会社に与える影響は低いでしょうし、逆に誰しもが確認できるオープンな範囲での投稿であり、長期間公開されていたのであれば、会社に対して与えた影響は大きいものになるでしょう。

    • 投稿者の特定
    • 投稿者の特定ができるかどうかも重要なポイントです。アカウント名、不適切な投稿の内容(写真などが添付されている場合もあります)、過去の投稿などから、特定を試みます。これらの情報から特定できない場合には、発信者情報開示請求まで行うかどうかを検討することになります。
  2. (2)削除要請

    投稿者に対して、不適切な投稿の削除を要請する方法があります。任意に投稿者が削除に応じない場合には、運営元に削除請求を行うことになります。

  3. (3)従業員に対する懲戒処分

    従業員に対して、懲戒処分を行うには、懲戒事由が就業規則や個別の労働契約に規定され、当該投稿行為が規定された懲戒事由に該当することが必要です。

    たとえば、SNSの不適切投稿にかかわる懲戒事由の定めにとしては、会社の名誉や信用を毀損する行為の禁止規定、秘密保持に関する規定その他の倫理規定等への違反といったものが考えられます。

    ただし、懲戒事由に該当したら直ちに懲戒処分を行うことができるわけではなく、行為の性質や態様その他の事情に照らして、選択される処分の重さが社会通念上相当でなくてはなりません。

    懲戒処分の可否、処分の種類を検討するにあたっては、以下の3つが重要な検討事項になると考えられます。

    • 情報の内容・性質・重要性
    • 外部への流出の有無・実害の有無
    • 漏えいに至る経過・事情


    顧客の個人情報や会社の機密情報などは開示した場合には、悪質な投稿として、重い処分を選択する必要性は高まると言えます。

  4. (4)再発防止策の策定

    なぜ、不適切投稿がなされるに至ったのか、その原因と事実関係を調査検討し、再発を防止しなくてはなりません。

    実際に起きてしまった事案を踏まえて、従業員に対する教育や研修を実施したり、就業規則やガイドラインといった社内規定に反映したりすることは有用な対応でしょう。

2、不適切投稿の3つの実例

実際に起きた不適切投稿の事例をご紹介します。

① 個人情報漏えいの事案
有名ホテルに著名人が来店したことを投稿。ホテル側がホームページ上で謝罪をするに至ったものです。

② 不衛生な動画を投稿
回転寿司チェーンにおいて、アルバイト店従業員が食材をごみ箱へ捨て、まな板へ戻す動画が拡散しました。会社側はプレスリリースで謝罪するとともに関連して多額の損失を被ったといわれています。従業員に対しては会社から、民事上、刑事上の法的措置をとる旨の報告がなされました。

悪ふざけによるものではありますが、飲食店で従業員が業務用冷蔵庫、食器洗い場、アイスクリームケースなどに入った写真などを投稿し炎上するなど多くの事例があります。

③ 会社機密情報を投稿
社内の開発中の新製品の情報など機密情報をSNSで公開したものです。このように会社の新製品・新サービスに関する情報など、会社の秘密に関する情報をSNSに投稿する類型では、場合によっては、不正競争防止法違反としての損害賠償の対象になりえます。

3、不適切投稿の予防法

不適切投稿は、それによって「炎上」してしまうと、影響は甚大なものとなり、取り返しのつかない事態に陥ってしまう可能性があります。会社は、このような事態に陥ることを防ぐ対策を行うことが何よりも重要です。

  1. (1)教育・研修の実施

    まず、不適切投稿への予防法として、SNS利用についての社内教育・研修が考えられます。この際には、SNSの不適切投稿により会社が被る損害だけではなく、投稿した者に生じる不利益(懲戒処分、損害賠償、刑事告訴など)について具体的に説明し、安易な投稿を行わないように指導しなくてはなりません。

    もちろん、漫然と研修を行っても意味がありません。悪ふざけ的な投稿を行う者に対して会社に生じる損害や会社への忠誠心を説いたところで実効性はあまりないでしょうし、アルバイトの従業員に社内の懲戒処分の可能性を伝えても意味は乏しいといえます。不適切投稿がなされることで、本人に対してどのような不利益が生じてしまうか、より現実味を持たせて研修を実施することが肝要です。

    また、正社員のみならず、非正規社員・子会社を含む関連会社の社員も、研修に参加してもらうことが効果的です。会社や店舗に出入りしているのは本社の正社員だけではなく、関連会社やアルバイトの従業員もおり、これら従業員に対しても教育を行うことが、不適切投稿を防止する上で、重要です。

  2. (2)就業規則による対応

    不適切投稿がなされた場合には懲戒事由になることを明示的に定めることも、不適切投稿の防止に役立つ可能性があります。具体的には、SNS利用時のルールを作成し、これらに違反することが懲戒事由に該当することを就業規則などに明記することが考えられます。このような社内規定を作成したら、従業員にわかりやすく周知する必要があります。

  3. (3)SNS利用ガイドライン、ポリシーの作成

    懲戒事由を定める就業規則などからさらに一歩進んで、SNSポリシーやSNSガイドラインなどを策定し、会社としてのSNSの適正な使用に関する明確な姿勢を示すことも非常に効果的です。近時は、外部に公開している会社もあります。企業としてのイメージ戦略にも有効でしょう。

  4. (4)誓約書の取得

    入社時などに誓約書を取得することも有益です。誓約書にはSNS利用ルールなどを記載し作成します。万が一、従業員が不適切投稿を行った場合の懲戒処分の判断に会社にとって有利に作用しますし、何よりも、従業員が自ら署名押印することで、SNSの利用について自覚を促す効果があります。

4、ベリーベスト法律事務所の特徴

ベリーベスト法律事務所では、不適切投稿の削除請求専門チームと会社のリスクに対応する危機管理チームがあり、それぞれの知見を結集して適宜トラブル解決にあたります。

不適切投稿がなされた場合には、まずは被害拡大防止のために削除請求の専門チームが迅速に対応し、投稿内容を踏まえた全体的な対外的・対内的な対応を危機管理チームが行います。

また、平時から顧問弁護士として連携することで、紛争予防のサポートやリテラシー向上のためのアドバイスも可能です。顧問弁護士をお探しの際もお気軽にご相談ください。

5、まとめ

不適切投稿を起こさないためには、まずは会社として事前の防止策を万全にすることが重要です。そして、万が一、不適切投稿が起きてしまった場合には、「炎上」の拡大を防ぎつつ、法的見地も踏まえて適切に対応することが求められます。

ベリーベスト法律事務所では、不適切投稿の予防策はもちろん、なされてしまった場合の削除請求や危機管理対策について、随時ご相談を受け付けております。不適切投稿でお悩みの場合は、まずはベリーベスト法律事務所 高崎オフィスへご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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