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民法改正後だれが寄与分の権利者になれる? 特別の寄与について解説

2020年09月30日
  • 遺産分割協議
  • 寄与分
  • 権利者
民法改正後だれが寄与分の権利者になれる? 特別の寄与について解説

高崎市では、「特別相談」として、相続をはじめとした法律相談を定期的に行っています。相続が発生すると、分割割合や寄与分について悩んだり、争いが起きたりしてしまう可能性があります。市役所で行われる相続相談会のメインは手続等の一般論に関することになるため、争いが起きている場合や争いが起こりそうな場合は弁護士に相談するほうがよいでしょう。

さて、令和元年7月1日に施行された改正民法において、以前から寄与分が認められていた法定相続人以外の親族にも「特別寄与料」の請求が認められることとなりました。相続で寄与が認められる権利者が広がることによって、不平等感を解消することが期待されています。
今回は、寄与分と特別寄与料の違い、特別寄与料の決め方などについて、ベリーベスト法律事務所高崎オフィスの弁護士が解説します。

1、寄与分とは

寄与分とは、相続人が被相続人の相続財産を維持し、あるいは増やした場合に、その貢献度合いに応じて相続分を上乗せする制度のことです。

  1. (1)寄与分の意義

    相続人の法定相続分は、被相続人との血縁関係に応じ、民法において割合が定められています。しかし、被相続人の相続財産が一部の相続人の継続的な貢献により維持・増加したのならば、その分だけ配分を増やして相続することが、より公平な相続となると考えられます。寄与分は、相続人の血縁関係のみで割合を一律に決めるのではなく、貢献度に応じて相続割合を調整し、公平性を補完するための制度であるといえるでしょう。

  2. (2)寄与分の要件

    寄与分が認められるための条件は、以下のとおりです(民法第904条の2)。

    • 共同相続人のなかで寄与行為であったこと
    • 被相続人に対して「特別の」寄与行為があった
    • 被相続人の財産の維持または増加があったこと
    • 相続人の寄与行為と被相続人の財産の維持または増加との間に因果関係があること


    寄与行為とは、具体的に以下のような行為が代表的ですが、他にも被相続人の財産を維持、増加させるような行為であれば構いません。

    • 被相続人の事業に関する労務の提供
    • 被相続人の事業に関する財産上の給付
    • 被相続人の療養介護に関する労務の提供
    • 被相続人の財産管理
    • 自己の収入等を出捐(しゅつえん)して生活費を渡していた


    もっとも、寄与分が認められるためには、「特別の」寄与である必要があります。「特別の」寄与とは、夫婦間には同居・協力・扶助の義務があり(民法第752条)、親子・兄弟姉妹間には扶養義務があるため(民法第877条)、これらの義務の範囲を超えるような寄与をした場合をいいます。
    また、寄与行為は原則として、無償またはこれに準ずるものでなければならないと解されています。そのため、生前贈与や遺言等により、寄与に対する相応の対価があら得られている場合には、寄与分の主張は認められないと解されています

  3. (3)民法改正の経緯

    長年、被相続人の介護負担などを実質的に担ってきたのは、子どもではなく、子どもの配偶者であるケースは少なくありません。しかし、これまで寄与分が認められていたのは、前項のとおり法定相続人に限られていました。これまでも、相続人の寄与分において、相続人の配偶者の貢献を反映させるという解決方法もありましたが、あくまでそれは相続人の寄与分であり、相続人の配偶者本人自身に利益が帰属するものではありませんでした。

    実際に、被相続人のために無償で力を尽くしてきた親族がいるにもかかわらず、法定相続人以外だからという理由で、まったく相続を受けられないのは不公平です。そこで、相続にまつわる民法が改正され、令和元年7月1日以降に相続が開始された場合を対象として、新たに「特別寄与料」が請求できることとなりました(民法第1050条)

2、民法改正で新たに設定された「特別の寄与」とは

令和元年7月1日に施行された「特別の寄与」とは、「無償で療養看護その他労務の提供により、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第891条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。)」が、相続の開始後、相続人に対して、寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の請求を認める制度です(民法第1050条1項)。

なお法定相続人には、従来通りの寄与分規定が適用されます。

  1. (1)特別寄与料の対象者

    特別の寄与を受けられる対象者を確認する前に、まず親族の範囲を知っておきましょう。

    親族については、民法第725条に明確に定義されています。具体的には以下のとおりです。

    ●配偶者<第一順位の法定相続人>

    ●6親等以内の血族(以下、被相続人からみての具体例)

    • 1親等…父母<第二順位の法定相続人>、子<第一順位の法定相続人>
    • 2親等…祖父母、兄弟姉妹、孫<子が亡くなっている場合第一順位の法定相続人>
    • 3親等…曾祖父母、叔父叔母、甥姪
    • 4親等…高祖父母、いとこ、祖父母の兄弟
    • 5親等…曾祖父母の兄弟
    • 6親等…はとこ


    ●3親等以内の姻族

    • 1親等…配偶者の父母
    • 2親等…配偶者の兄弟姉妹、配偶者の祖父母
    • 3親等…配偶者の兄弟姉妹の子(甥姪)


    このなかで「相続人ではない親族」が、寄与行為をした場合、特別寄与料の請求ができることとなったのです。

  2. (2)特別寄与者にあたらない者

    たとえば、被相続人の介護について主として携わった方がいたとしても、以下に該当する場合は、特別寄与者にあたらないと解されています。

    • 雇われた介護人や家政婦
    • 友人や知人
    • 内縁関係にある者
    • 法定相続人
    • 相続放棄をした親族
    • 相続欠格事由に該当する親族
    • 推定相続人の廃除を受けた親族
  3. (3)特別寄与料が認められるケース

    特別寄与料が認められるのは、「被相続人に対し無償で療養看護その他の労務を提供した」ことで被相続人の財産の維持・増加に貢献した場合に限定されています。介護サービスには少なからずお金がかかります。そこで、被相続人が病気や怪我をしたときの看護や介護を、継続的に無償で行った場合、同等の看護・介護サービスを利用したときに予想される費用分を貢献したと考えられ、特別の寄与分が認められる場合があります。

    したがって、精神的に支えただけでは、財産の維持増加に寄与したとは認められないケースがあります。

3、特別寄与分の決め方と計算方法

特別寄与料についての権利があったとしても、何もせずに財産がもらえるわけではありません。被相続人の財産の維持・増加への貢献があった事実を主張および証明する必要があります。

特別寄与料の決め方と、計算方法の一例をみてみましょう。

  1. (1)特別寄与料の決め方

    遺言や法定相続分などを基準に相続財産の分ける方法としては、通常は遺産分割協議による相続人同士の話し合いで、相続の詳細を決定します。しかしながら特別寄与者は法定相続人ではないため、遺産分割協議に参加することができません。

    そこで、特別寄与料を請求する場合は、実際に遺産を受け継ぐことになる相続人に対して、金銭請求をすることになります

    協議(当事者同士の話し合い)によって合意に至らない場合、特別寄与料を主張する者が家庭裁判所へ特別寄与料に関する調停または審判を求めることになります。家庭裁判所の調停により最終的な配分を定め、支払いを命じてもらうこととなります。

    なお、相続の開始および相続人を知った日から6か月経過したときにはこの申し立てをすることはできません。また、相続の開始および相続人を知らなかったとしても、相続開始から1年を経過した場合にも、申し立てをすることができません。遺産分割協議が終わる前に、早めに弁護士に相談し、申し立てを検討することをおすすめします。

  2. (2)特別寄与料の計算方法

    民法第1050条において、特別寄与料は「寄与の時期、方法および程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して」算定するものと定められています。また寄与分や特別寄与料の上限は「被相続人が相続開始のときにおいて有した財産の価額から、遺贈の金額を控除した残額を超えることはできない」とも定められているのです。当然ですが、特別の寄与分として金銭を請求する場合、一定の上限があることを知っておきましょう。

    なお、相続人の療養看護型の寄与分について、東京家庭裁判所の実務上の運用は、「介護報酬基準額×療養看護の日数×裁量的割合」で計算されています。そのため、特別寄与料の算定にあたっても、ひとつの参考になるでしょう。

    また、他の相続人も納得しやすいよう、以下のような算出基準や証拠を残しておくことをおすすめします。

    • 療養介護に要した経費の領収書(介護用品の購入、交通費、薬代、リフォーム代など)
    • 療養介護に行った日数が分かるもの(メールのやりとり、日記や日誌、SNSなど日時が分かる記録)
    • 被相続人や他の親族との療養介護に関するやりとり


    家庭裁判所への調停または審判の申し立てを行う場合は、これらの証拠は必須です。必ずこまめに記録・保存をしておくようにしましょう。

4、まとめ

法律の改正により、相続人以外の親族でも特別寄与料が請求できるようになりました。それでも、施行から間もないことから、他の相続人が制度を知らず反対されることもありうるでしょう。もちろん、法的に認められた権利者であれば、請求することに法的な問題はありません。

相続の交渉は、第三者である弁護士に依頼することが非常に有効です。もし寄与分や特別の寄与分を請求したいと考えているのであれば、ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスの弁護士に相談してください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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