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不正競争防止法における営業秘密の保護について、弁護士が解説

2021年01月26日
  • 独占禁止法・競争法
  • 不正競争防止法
  • 営業秘密
不正競争防止法における営業秘密の保護について、弁護士が解説

平成28年の経済センサスによると、同年6月1日時点における群馬県内の事業所数は92006事業所で、全国第18位の数となっています。直前の調査が行われた平成24年における事業所数が96546事業所であったことと比べると、4年間で4.7%の減少となりました。

会社にとって、営業秘密は自社のサービス・商品の競争優位性を確保するなどの観点から、非常に重要な機密情報です。企業担当者としては、もし営業秘密の漏えいが発覚した場合には、不正を働いた従業員に対して厳正に対処しなければなりません。

本コラムでは、不正競争防止法における営業秘密の保護について、ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスの弁護士が解説します。

(出典:「平成28年経済センサス 活動調査(確報) 産業横断的集計結果の概要(群馬県版)」(群馬県ホームページ)

1、不正競争防止法で保護される「営業秘密」とは?

不正競争防止法では、企業が保有するノウハウなどに関する利益を保護するため、営業秘密の不正な漏えいなどを禁止しています。

まずは、不正競争防止法という法律の概要や、営業秘密の定義、営業秘密に関して禁止される行為について見ていきましょう。

  1. (1)不正競争防止法とは

    不正競争防止法は、事業者間の公正な競争を確保するため、不正な競争につながるような行為を取り締まることを目的として制定された法律です。

    営業秘密の不正漏えい・利用などを中心として、さまざまな不正競争行為が、不正競争防止法によって禁止されています。たとえば、営業秘密を従業員などが不正に漏えいした場合、不正競争防止法違反として刑事罰に問える可能性があります。

  2. (2)「営業秘密」の定義

    「営業秘密」は、不正競争防止法第2条第6項において、
    「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって、公然と知られていないもの」と定義されています。

    すなわち、「営業秘密」は、以下の要件を満たす必要があります

    • 秘密管理性(秘密として管理されていること)
    • 有用性(事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること)
    • 非公知性(公然と知られていないこと)
  3. (3)「営業秘密」として保護されるための3要件

    不正競争防止法上、会社が保有するノウハウなどが営業秘密として保護されるための要件は、前述のとおり、秘密管理性、有用性、非公知性の3つです。

    それぞれの意味について、詳しく解説します。

    ●秘密管理性
    秘密管理性を要求する趣旨としては、事業者が秘密として管理しようとする対象が従業員等に対して明確にされることにより、従業員等の予見可能性を確保することにあります
    そして、「秘密として管理されている」といえるためには、以下の2つの要素を考慮して判断されます。

    1. ①秘密管理措置によって、企業の秘密管理意思が従業員などに対して明確に示されていること
    2. ②会社の秘密管理意思に対して、従業員などの認識可能性が確保されていること


    ①の企業による秘密管理措置としては、典型的にはファイルに対するアクセス制限や、書類の施錠保管などが考えられるでしょう。

    さらに、②の会社の秘密管理意思を従業員が認識できるようにするための措置としては、書類に「部外秘」「社外秘」などと明記しておくことが考えられます。

    ●有用性
    不正競争防止法による保護に値する情報であるといえるためには、その情報が客観的に見て、企業の事業活動にとって有用であることが必要とされています

    ただし、情報の商業的価値は極めて多様であることから、有用性の要件は比較的緩く解されています。実務的には、秘密管理性と非公知性の要件を満たす情報については、有用性が認められることがほとんどと考えられています。
    なお、公序良俗に反する内容の情報(脱税や賄賂に関する情報等)のような情報については、法が保護すべき正当な事業活動に関する情報とはいえず、有用性を満たさないことになります。

    ●非公知性
    非公知性認められるためには、一般的に知られておらず、または容易に知ることができない情報であることが必要です

2、営業秘密に関して禁止される行為

不正競争防止法上、営業秘密については、以下の行為が不正競争に当たるとされています(不正競争防止法第2条第1項第4号~第10号)。

  1. ①窃取、詐欺、強迫その他の不正の手段により営業秘密を取得する行為(「営業秘密不正取得行為」、4号)
  2. ②営業秘密不正取得行為により取得した営業秘密を使用・開示する行為(4号)
  3. ③営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、もしくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得・使用・開示する行為(5号)
  4. ④取得後に営業秘密不正取得行為が介在していたことを知って、または重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用・開示する行為(6号)
  5. ⑤営業秘密保有者からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的、またはその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用・開示する行為(「営業秘密不正開示行為」、7号)
  6. ⑥営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、もしくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得・使用・開示する行為(8号)
  7. ⑦取得後に営業秘密不正開示行為があったこともしくは営業秘密不正開示行為が介在していたことを知って、または重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用・開示する行為(9号)
  8. ⑧営業秘密の不正使用行為により生じた物を譲渡・展示・輸出・輸入・電気通信回線を通じて提供する行為(10号)

3、営業秘密を不正に漏えいした場合のペナルティーは?

会社の従業員などが営業秘密に関して禁止される行為を行った場合、当該従業員は以下のペナルティーを受ける可能性があります。また、会社側が被害にあったときは当該従業員に対して損害賠償請求できる可能性があります。

  1. (1)刑事罰

    営業秘密に関して、不正競争防止法に違反する行為をした者については、不正競争防止法第21条1項各号の要件を満たした場合には、「10年以下の懲役もしくは2000万円以下の罰金」が科され、またはこれらが併科されます。

    さらに、営業秘密を日本国外で使用する目的を有している場合等は、罰金の額が増額となり、「10年以下の懲役もしくは3000万円以下の罰金」が科され、またはこれらが併科される可能性があります(同法第同条第3項各号)。

    営業秘密の不正使用などに関する被害を受けた企業としては、違反者を告訴することによって刑事処分を求めることも可能です

  2. (2)会社からの差止・損害賠償請求

    営業秘密の不正使用などに関する被害を受けた企業は、加害者である従業員や企業等に対して、以下の請求をすることができます。

    1. ①差止請求(不正競争防止法第3条第1項)
    2. ②廃棄除去請求(同法第3条第2項)
    3. ③民事上の損害賠償請求(同法第4条)
    4. ④営業上の信用を回復するのに必要な措置(同法第14条)
  3. (3)会社からの懲戒処分

    営業秘密の不正使用などは、従業員として、勤めている会社に対する重大な背信行為です。したがって、就業規則などの定めに従い、懲戒処分を行うことができる可能性が高いでしょう。

    特に会社にとって被害の大きい営業秘密の漏えいなどが行われた場合には、懲戒解雇などの重い処分に相当することも十分考えられます

4、企業が取るべき営業秘密漏えい防止の対策とは?

企業としては、営業秘密をそもそも漏えいさせないため、また万が一漏えいしてしまった場合にも不正競争防止法上の保護を受けられるようにするため、以下の対策を採っておくべきでしょう。

  1. (1)電子ファイルにはパスワード設定・アクセス制限

    営業秘密が電子ファイルに記載されている場合には、パスワードを設定したうえで、保存先のフォルダなどにアクセス権を設定し、アクセスが必要な従業員以外の者が閲覧できないようにしておきましょう。

    パスワード設定・アクセス制限を施すことには、以下のメリットがあります。

    • そもそもファイル自体が社外へ流出しにくい
    • ファイルが社外へ送信されても、パスワードを知らなければ閲覧できない
    • 仮にファイルが社外へ流出しても、不正競争防止法上の営業秘密として保護される
  2. (2)紙ファイルは鍵のかかる部屋で管理する

    紙ファイルについては、電子ファイルのようにパスワードやアクセス権の設定などを用いた秘密管理を行うことができません

    そこで、物理的な秘密管理の方法として、鍵のかかる部屋で紙ファイルを管理する方法が考えられます。
    鍵を閲覧権者以外が使用できない状態にしておけば、電子ファイルに対するアクセス権の制限と同様に、秘密管理を行うことができるでしょう。

  3. (3)ファイルに社外秘であることを明記する

    従業員への注意喚起の意味合いとして、ファイルに「部外秘」「社外秘」などと、営業秘密であることを明記する文言を記載しておくことも有用です。

    万が一ファイルが社外へ流出してしまったとしても、不正競争防止法上の営業秘密として保護されやすくなるというメリットもあります

  4. (4)従業員に対して営業秘密漏えい防止に関する研修を行う

    従業員は日常的にオフィスで会社の営業秘密に触れていることから、営業秘密が「秘密であること」について、あまり強く意識する機会に乏しいという側面があります。

    そこで、定期的に従業員に対する研修を実施し、営業秘密の漏えいに関するリスクやペナルティーなどを啓蒙することも効果的でしょう

5、まとめ

営業秘密の不正漏えいなどは、企業に対して大きな損害を与える、重大な犯罪行為です。もし従業員による営業秘密の不正使用を発見した場合、企業側としては、刑事告訴・損害賠償請求・懲戒処分などの対応が考えられます。厳正な処分をもって臨みましょう。

ベリーベスト法律事務所では、企業の営業秘密の管理に関して、専門的なサポートを行っております。営業秘密の取り扱いや不正使用などについてお悩みの企業担当者の方は、ぜひ一度ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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