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業務委託の場合、労働法では保護されない? 実質的判断基準について

2021年08月05日
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業務委託の場合、労働法では保護されない? 実質的判断基準について

群馬県の勤労統計調査によると、令和2年における群馬県内の事業所(常用労働者30人以上)の現金給与総額は月額320606円で、前年比1.2%の減少、かつ3年連続の減少となりました。

企業が人材確保のコストを抑え、かつ人材の流動性を高めるため、雇用から業務委託へとシフトするケースが増えています。業務委託には、各種労働法の規定が適用されないので、企業にとって負担を軽減するという利点があるのです。

しかし、業務委託という形式をとっていても、実質的に雇用と評価される場合は、各種労働法の保護を受けることができます。この記事では、業務委託と雇用の区別や、労働問題に関する相談先などについて、ベリーベスト法律事務所 高崎オフィスの弁護士が解説します。

1、委任・請負・雇用、3つの契約の違いとは

「業務委託契約」というのは、民法で定められた契約類型ではなく、「委任契約」や「請負契約」などが含まれる幅広い概念です。業務委託契約は雇用契約と異なり、「使用者」と「労働者」というような主従の関係にない独立した事業者間の契約であるということです。

業務委託契約(委任・請負など)と雇用契約(労働契約)は、いずれも報酬(賃金)と引き換えにマンパワーを提供する内容の契約であるという共通点があります。
しかし法律上は、委任・請負・雇用の3者は明確に区別されており、それぞれについて適用されるルールも異なります。

まずは、委任・請負・雇用の違いについて、基本的な知識を押さえておきましょう。

契約の目的(債務の内容) 指揮命令関係 各種労働法の保護 会社側の社会保険料の負担
委任 委任業務の遂行 なし なし なし
請負 仕事の完成 なし なし なし
雇用 労働の提供 あり あり あり


  1. (1)委任とは?

    「委任」とは、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾する内容の契約をいいます(民法第643条)。
    また、法律行為でない事務を委託する内容の契約は「準委任」と呼ばれ、委任に関する民法の規定が準用されます(民法第656条)。

    民法の適用のうえでは、法律行為の有無によって、委任と準委任を区別する実益はほとんどありません。
    たとえば、弁護士などの士業に対する業務の依頼は、委任または準委任として整理されます。

    委任・準委任に関する契約は、「業務委託」の名称で締結されることも多くみられます
    委任者と受任者の間に指揮命令関係がない代わりに、各種労働法の規定は適用されず、会社側に社会保険料の負担も発生しません

    また、委任は請負とは異なり、委任業務の遂行自体を目的とするため、業務の結果にかかわらず報酬を受け取ることができます。

  2. (2)請負とは?

    「請負」とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払う内容の契約です(民法第632条)。
    建物の完成工事・内職・ライターなど、成果物の納品を目的とした業務は、一般的に「請負」に該当します。

    請負は、委任と同様に「業務委託」の名称で締結されることも多くみられます。
    注文者と請負人の間に指揮命令関係はなく、各種労働法の規定の適用や会社側の社会保険料の負担はいずれも生じません。

    請負が委任と異なるのは、仕事の完成を契約の目的としている点です。請負は仕事を完成させる義務がありますので、完成物に不具合があった場合は「瑕疵担保責任」を負います

    つまり請負人は、仕事を完成しなければ、請負契約に基づく報酬を受け取ることができません。

  3. (3)雇用とは?

    「雇用」とは、当事者の一方が相手方のために労働し、相手方が労働に対して報酬(賃金)を支払う内容の契約です(民法第623条)。

    正社員・パート・アルバイトなどは、いずれも「雇用」に当たります。

    雇用は、使用者・労働者間の指揮命令関係(≒従属関係)を前提としており、一般に労働者の方が弱い立場にあります。
    そのため、各種労働法によって労働者は保護されます。

    労働者は、法律に基づいて有給休暇や残業代が請求できますし、雇用者の一方的な都合で解雇されることもありません雇用契約書に「有給休暇はなし」と書いてあってもその定めは無効となります
    また、社会保険料を労使折半で支払う必要がある点も、雇用の特徴です。

2、形式的には業務委託でも、雇用と認められる場合がある

各種労働法に基づく残業代支払い義務や不当解雇規制、さらには社会保険料の負担など、会社にとっては、「雇用」によって労働力を確保することには大きなコストが掛かります。
そのため、「業務委託」などの体裁をとって、安価なコストで労働力を確保しようとする例はよくみられるところです。

しかし、「業務委託」「委任」「請負」などの名称で契約が締結されたとしても、各種労働法によって労働者が保護されるかどうかは、契約書の規定のみならず、勤務の実態を実質的に判断したうえで決定されます
つまり、契約書の名称が業務委託などであっても、雇用と認められて各種労働法による保護が適用される場合があります。

以下では、どのような場合に「業務委託」が「雇用」と認められるのかについて解説します。

  1. (1)指揮命令関係があれば、雇用と認められる

    「業務委託」と「雇用」の分かれ目は、「当事者間に指揮命令関係があるかどうか」です。

    つまり、業務のやり方・作業をする時間などについて、業務を行う側の裁量で決められる場合は「業務委託」となります逆に、これらの点について使用者による拘束性があり、業務を行う側にとって多くの制約が課されている場合は、労働者性が認められて「雇用」と判断される可能性があります

    指揮命令関係の有無を判断する際には、業務委託契約書の規定のみならず、勤務の実態が実質的に考慮されます。

  2. (2)業務委託が雇用と認められるケースの具体例

    当事者間の指揮命令関係が肯定され、業務委託が雇用とみなされやすい主なケースは、以下のとおりです。

    • 委託者が受託者に対して、業務のやり方について具体的な指示命令を行っている
    • 受託者が業務を行う時間や場所が決められている
    • 受託者に、就業規則に準じた社内ルールを遵守することが義務付けられている
    • 受託者に、業務を断る自由が認められていない
    • 兼業が禁止されている
         など


    上記の事情が存在する場合には、労働基準法上の時間外労働規制や、労働契約法上の不当解雇規制などが適用される可能性があります

3、業務委託と各種労働法に関する問題の相談先は?

ご自身の勤務実態が、業務委託ではなく雇用ではないかと思われた場合、未払い残業代などの問題が生じている可能性があります。
その場合は、以下の相談先へ速やかにご相談ください。

  1. (1)労働基準監督署

    労働基準監督署は、労働基準法違反に関する問題を管轄する官公庁です。労働者の申告を契機として労働基準法違反が認められた場合には、事業主などに対しその是正を指導します。

    実態として雇用に当たるにもかかわらず、労働基準法に従った残業代の支払い等が行われていない場合には、労働基準監督署が指導・勧告などを行ってくれる場合があります
    ただし労働基準監督署は、相談者の代理人ではないため、残業代請求などの個人的な請求をサポートしてくれるわけではない点に注意しましょう。

  2. (2)弁護士

    業務委託が雇用とみなされることに伴い、会社に対して残業代請求などを行いたい場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

    弁護士は、さまざまな証拠資料から勤務実態を分析したうえで、会社との残業代請求交渉や、労働審判・訴訟などの法的手続きを全面的にサポートします
    残業代の計算は複雑ですので、会社の責任を追及して、具体的な金銭メリットを得たい場合には、弁護士に相談することが問題解決への近道となるでしょう。

    また、弁護士に依頼することで交渉を弁護士が行いますので、精神的負担も軽減されます。

4、弁護士に各種労働法の相談をする際に、準備すべきもの

業務委託の形式で働く方が、各種労働法による保護を求めて弁護士に相談する際には、以下の準備を事前に行っておくとよいでしょう。

  1. (1)指揮命令関係の存在をうかがわせる証拠

    前述のとおり、業務委託の委託者と受託者の間に指揮命令関係が認められれば、受託者は各種労働法による保護を受けられます。

    会社に対して残業代請求などを行う際にも、指揮命令関係に関する証拠が重要になるため、「2、(2)業務委託が雇用と認められるケースの具体例」を参照して、弁護士に相談する以前に可能な限り証拠を収集しておきましょう
    もちろん弁護士に相談すれば、他にどのような証拠を収集しておけばよいかなど具体的なアドバイスを受けられるので、それを受けて追加で証拠を収集すればOKです。

  2. (2)労働時間に関する証拠

    会社に対して残業代請求を行う場合、具体的な請求を行う前提として、労働時間を証拠によって裏付けなければなりません。

    業務委託の場合、タイムカードなどで出退勤時間が管理されているケースはまれですが、メールの履歴や位置情報などを活用して、労働時間に関する証拠を確保しておくとよいでしょうまた、日記やメモに始業・終業時間を記録しておくことも有効です

    労働時間を立証するための証拠に心当たりがない場合には、弁護士にアドバイスを求めてください。

5、まとめ

会社が業務委託の形で安価にマンパワーを確保しつつ、指揮命令関係に基づいて強力に受託者をコントロールすることは、法律上認められません。

もし会社が上記のような「いいとこどり」によって、受託者(労働者)を搾取しようとしているのではないかと疑問に思った場合には、速やかに弁護士に相談することをお勧めいたします。

ベリーベスト法律事務所では、労働問題を専門的に取り扱うチームが、指揮命令関係の有無等について検討・分析を行い、会社に対して正当な請求を行うための全面的なサポートをご提供いたします。

「業務委託」の名の下に搾取されているのではないかと思い至った方は、ぜひお早めにベリーベスト法律事務所にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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